2005年 11月 22日
猫と暮らす前に、どうか知って欲しいのです。
ごめんね。悲しい事を書きます。どうしようか迷ったのですが、でも、知って欲しいとも思うから。。。これから猫と暮らしたいと思ってる人に。 常々、自分と猫のかかわり方、それが正しいとも唯一とも思っていないので(むしろちょっと常軌を逸している事はよく自覚しています(笑))、自分はこうだけど、違う形もいいよね、という、ニュートラルな感覚を持っていたいと思ってます。 いつも、るーじゅりが幸せになって欲しいと思って、たまたまこういう形に辿り着きました。だけど、状況が変われば、接し方だって変えていかなきゃならない、そんな出来事がこの先絶対ないとはいえないのですから、視野を広く持っていたいです。自分の愛情の形に自信を持つ、という事と、今の愛情の形に固執するということは、違いますから。 その場に応じた、必要な形に変えていきたい。なんだかおかしな方向に向かってそうなら(もうすでにおかしいのでは;;;)、そのつど軌道修正して行きたい。そんな風に思ってます。 だけど、今回はちょっと偏ってます。思いっきり。 それでも、これから猫と共生したい、そう思っている人に、知って欲しい、悲しい出来事です。 あ、ニャン友さんはむしろ見ないでください( ̄▽ ̄;無駄に悲しくなると思います~;;; 今年の4月、私のいるフロアに異動して来た「その人」は猫を数匹飼ってます。しかし、話してみると、「いくらしたの?」「うちのはそんな、お宅のようなイイ猫じゃないから・・・」的な事ばかり。名前は聞かれないのにね(笑) なんつーか・・・猫への眼差しの隔たりに・・・なまじ同じ「猫飼い」なだけに・・・しんどくなってしまい、挨拶をするだけになっていました。 でも、私の方からは振らなくても、その人だって猫好き。「お宅の猫は元気?」からはじまって、色々聞いてくる。 「昼間は外に出してるの?」 「マンションだから・・・・・うちの子エレベータ使えないし(笑)、出しません」 「オスメスで飼ってるじゃあ、子供出来たら楽しみだね。売ったりするの?」 「いや~、血が近いんで、不妊手術してるんデス。」 勿論、マンションじゃなくても外には出さない。血が近くなくたって、交配なんてしない。交配させないのに不妊手術もしない、それも出来ない。 けれど・・・・色々な考え方の人がいる。動物愛護の人たちの間でさえ、不妊手術はデリケートな問題。 私は自分の考えが猫との同居の道として最善だとも、正しいとも思ってるわけではない。ただ、私なりに考えた上で・・・私なりに「るーじゅりを幸せにしたい」と思って、その想いを形にするため、私なりに調べたり考えたりして、落ち着いた形でしかない。 わざわざ波風の立つ言い方をしたくなかった。 「ふーん、なんかカワイソウだね、お宅の猫。その点、うちの猫は出入りも自由だし、手術なんかしてないし。」 ズキッとしました。 前半?確かにね、よく知りもしない人に、自分ちの子を不幸だと決め付けられるのは、悲しいです。でも、この人、こういう人なんです。悪気はないけど、普通言わない不用意な発言をしちゃうのね。 だけど、私が気になったのは後半部分。「不妊手術をさせない」「外出自由」この2枚のカード、揃えちゃいけないと私は思っています。 野良ニャンが増え、「いつ"排除"されるか分からない、哀しい命」をいたずらに増やす。それにl妊娠に纏わるリスクだけじゃない。わが子だって、伝染病(猫エイズや猫白血病)に感染するリスクを追う。交通事故リスクだって、外に不慣れなイエネコの方が圧倒的に高い。それに、不妊手術をしていれば、予防できたであろう、♂ニャンなら精巣・前立腺の病気。♀ニャンなら子宮蓄膿症、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍などを患うおそれがつきまとう。 思い切って、どうして自分はそういう選択にしたのか、伝えた。返ってきた答えは・・・ 「ふーん。なんか、血統書つきの猫なんか飼ってると、色々、かってが違って大変だね~。」 ・・・なんでそうなってしまうの? 妊娠リスクも、感染リスクも、猫種を選んでなんか、くれません。 ガツン、と殴られたようなショックでした。でも、言われた事がショックだったわけじゃなくて。ある怖い考えが頭をよぎったから。 「この人」の言葉は大多数の人の考えなのかもしれないって事。 面と向かって口に出す、出さないの違いはあっても、多くの人の「不妊」「室内飼い」についての認識は、こんな感じなのかもしれない。自然の摂理に逆らう、愛猫を閉じ込める、可哀そうな事。 ニャンサイトに遊びに行き、自分でもブログを持つようになって、、、ニャン友さんとたくさん交流を持ち。。。よく考えれば、にゃんこの為にサイトを開設したり、そこに出入りしてわが子自慢してる人たちって、、、、相当ハイレベルなネコ 猫に夢中。猫命。猫の幸せのために色々試行錯誤。必要とあれば自分で調べる事もいとわない。 「この場所」で言うみんなにとっての「当たり前」とか「普通」って、世間一般の感覚とは、やっぱり隔たりがあるのですよね。 そう、大多数の「猫を飼っている人」たちとすら、感覚はズレているのかも知れない。 ぶっちゃけ、猫に興味のない人、飼う気のない人がどう思ってようと構わないのです。 どういう考えであっても、それがにゃんんこに影響を及ぼさないんだから。。。 だけど。にゃんこを飼ってる人たち、飼いたいと思ってる人たち。普通に暮らしていて、「猫情報」に触れられる機会って、どれだけあるのだろう。 普通に、友達やショップ、野良猫や捨て猫を家族として迎え入れたら。。。。放し飼いのリスクや、不妊手術の必要性など、よく知る機会はないかも知れない。 それが、今回の事を書こうと思った動機です。 そんな話をして数日後。「うちの猫にノミが大量発生した。どうすればいいですか、ニャンコ先生」と、おどけ半分に聞かれた。むかつく聞き方だが、にゃんこの為だ。うむ。 大発生。にゃんもかなり痒がって、すごいイキオイでガジガジ掻いたり、体中をガブガブ、ナメナメしてるとの事。皮膚が炎症を起こしてるかも知れない。市販の駆除薬やシャンプーはまずいかも。それに、ナメナメして経口で体内に入ったノミを媒体として、条虫に寄生されてるおそれだってある。私はすぐに病院に行った方が良いと思う、と伝えたけど、その人は「たかがノミで?」というような反応でした。私が心配性なのだろうか。。。。結局、どうするかは家族の判断。私が口出しはできません。 でも、やっぱり、こんな感じなのかもしれない。放し飼いにしてたって、可能性があるからって「ノミのリスク」など、先回りして調べる飼い主って、少数派なのかもしれない。 そして更に、数週間後の、今週の月曜。11月22日。ワンワン ニャンニャンの日です。 とうとう、心配していた事が起こってしまった。 「うちの猫が猫エイズにかかっちゃったんです。どうすればいいですか、にゃんこ先生」 冗談かと思いました。冗談であって欲しいと思いました。 いくらなんでも、そんなこと、冗談で言える訳ないよね。。。。。。 私、もっと強く、室内飼いと不妊を強調すればよかった?? でも、人のおうちの家族の事だよ。。。。 それに、「お宅みたいな血統猫じゃない」とか言う人に強調したところで、耳を傾けてくれたかどうか。。。。 ああ、それでも、「さしでがましい」と思われても、リスクを強調するべきだったかなぁ。 しかも、体調がおかしいな、と思いながらも特に隔離とかしなかったので、♀にゃんが感染して、♂にゃんにも伝染したとの事。 何と言っていいか、何も浮かばなかった。病院には行ってるし、猫エイズ感染=発症じゃないこと、発症しなければ長生きする事もできること、発症させないために、できること。そんな事はお医者さんが説明しているだろうし。。。。。。私に出来ることなんて。。。。。。。。 いや、ある。 私は、闘病記や、発症前に克服したサイト、病院サイトとかを調べて、「発症してしまってから、にゃんこの為に飼い主ができる事」を、書き出しました。お医者さんは、予測を元にインフォームする事はできないから、現実に効果をあげているとしても、それが実証されたり、数値として実績が上がってなければ説明できない。多くの闘病中の飼い主さんが強調しているような、猫のメンタル面のケア等については、おそらく、お医者さんの説明より、実際猫を励ましてきた飼い主さんの声の方が、より実践的でしょう。 でも本当は、もう1つ、伝えたい事があった。 最後に書きました。 「無症状でも、キャリアである限り、接触によって他の猫への感染源となってしまいます。感染以降は、外へ出さないようにして下さい。」 ははは。鬼ですね。最悪ですね。わが子の感染に悲しんでいる親に、「他に感染さない措置を取ってくれ」と。 だけど、言わねばならないと思った。鬼でいい。最悪でいい。悲しい連鎖を遮断できるなら。 わが子が街で、何も知らずに不治の病をばらまく。それだって悲しい。感染する方も悲しい。 自己嫌悪で一杯だったけど、私はその紙を渡しました。 その人は素直に感激してくれましたよ。でもね。 「あー。。。。外へ出さない。。。うーん、メス猫は出ないけど、オス猫はフラフラ出かけてるなぁ。出さないようにったって無理だよ」と、何のためらいもなく言い切りました。 「でも、だけど、いや勿論、分かりますけど、でも、他の子に感染しちゃうんですよ。」 「だって、もともと放し飼いにしてたのに、今更無理でしょ」 その人には、「自分の子を感染源として、自分の子と同じ悲しい想いをする子をたくさん作ってしまう事」なんて、全然、どうでも良い事のようでした。 どころか、自分の♂にゃんがカワイソウだからというより、出て行くもんを止める手立てなんて、考えられない、そんなめんどくさそうな様子さえ見られました。 ああ。やりきれない。 あなたの猫は、インターフェロンで免疫力を高め、ストレスの少ない生活をバックアップされ、栄養価の高い食事をし、頑張れば克服できるかも知れない。 あなたの猫から感染した野良たちは、うだる熱コンクリートに焼かれ、雨に打たれ、凍えるような寒さに貫かれ、常に外敵を警戒し、飢えをしのぎ・・・さまざまなストレスの中で、満足な栄養も摂れず・・・・・一緒に戦うママもパパもいない・・どうやって、体の中に巣食う病魔と闘えばいいのでしょうか? 猫が大好きな人。これから猫を飼いたい、一緒に暮らしたいと思ってる人。 当然、にゃんこ好きの人がたくさん増えて、オヤバカ話に萌えられる仲間が増えるのは、とても嬉しい。ウェルカムです。 私はあるがままの自由気ままな猫がすきなのだ、という場合、猫と同居、お迎え、そんな方法以外の「猫との共生」を模索する、それもアリかもしれません。 そもそも、猫を飼うという行為自体、すでに自然の摂理に逆らっているのですから。。。 というか、猫と一緒に暮らしていると、健康管理の面からも、食事など、猫の自由を制限する事が、一杯です。 私自身の価値観が室内飼い派、生ませないのなら不妊手術派ですから、そういう見方しかできないのかも知れません。 でも、知っておいてください。 現状、日本では、確認しているだけで、外出猫の1割が猫エイズのキャリアだと言われています。当然地域格差があり、場所によっては「3頭に1頭」の割合とも言われています。 発情期のオス猫は気がたっています。メス猫も然りです。喧嘩になる事はしょっちゅうだし、交配中に、メス猫を噛むオスは多いです。気に入らなければメス猫だってやり返します。 また、一日どれだけ見かけるか分からない「ナメナメ」。これも、お互いに舐めあう猫は、感染が成立します。 何度も言うけど、私の価値観は偏っています。特に、こんな出来事があった後だから。 ここで、「不妊のメリット・デメリット」を書き連ねる事はできるけど・・・・・。 検索をかければ、いくらでも関連サイトを調べられます。より、ニュートラルな意見や、反対意見も見ることができます。 どうか、ご自身でよくよく調べてみて、そして、ご自身で判断してください。 色々な意見を見知った上で、でも私は自由気ままに外に出してあげたいのだ、不妊なんて不自然な事はしたくないのだ、という場合だってあると思います。 ただ、外界にあふれる不治の感染病に感染するリスク、生殖器関係の疾患のリスクを負っているのだという事、万が一感染・発症したとしたら、根気良く戦っていく覚悟を初めから持って欲しい。妊娠して出来た子は、責任を持って里親を探して欲しい。 そして、万が一感染症に発症したら、その後は外に出さない覚悟を持って欲しい。 一度でも外の世界を知って、外にテリトリーを持つわが子から、外界を奪うのは、初めから完全室内飼いの子が当然のように家にいるというのより、よほど苦しいでしょう。 ノラにゃんを家ニャンにした場合、現実的に難しいかもしれないけど。 だけど、子にゃんの内からお迎えした子のママ・パパで、放し飼いをしていて、わが子が感染した・・・・その時、わが子から広い青い空の下を闊歩する自由を奪えないでいる方は多いと思います。 迎えた子が、病を負ったとして、「限りない自由と大きなリスク」、そういう幸せを選択したのだから、、、と、一緒に戦う覚悟をしたとして。そこまではできたとして。 だけど一度与えた自由を奪う事なんて・・・・できるんでしょうか・・・? お迎えした時点で、外出させようが、手術しなかろうが、その子は「自然の摂理」から外れます。家族です。 自然の摂理から外れた子を感染源として、他の猫に病が広がったら・・・それはもう、やっぱり「自然の摂理。自然淘汰。仕方ない事」とは言えないと思うのです。。。。 どうか、1にゃんでも、不治の病で苦しむにゃんこが少なくなるよう。。。。 一日もはやく、不治の病と呼ばれる病気が根絶するよう。。。。。。。。。 私は、祈る事しかできません。
by kali-kali-ume
| 2005-11-22 18:29
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